映画ネタ帳3

今回紹介する僕の好きな映画は、1990年公開のイタリア映画「サンタ・サングレ 聖なる血」です。

監督はカルトムービーの最高峰「エル・トポ」を撮った、鬼才(というかほとんど奇人)アレハンドロ・ホドロフスキーです。漫画原作者という顔も持っていて、メビウスと組んで「アンカル」、ヒメネスと組んで「メタ・バロンの一族」というどちらもスペースオペラでありながら、哲学的な展開になるという傑作で、日本の漫画にはないセンスで僕も好きです。

「サンタ・サングレ」のストーリーは、猟奇殺人もので、サーカスの団長の息子として育った主人公のフェニックスは、両親が殺し合うシーンを目撃して、それがトラウマになって精神を病み、母親の言われるままに女たちを殺し続けるというもので、それ自体はありふれた話ですが、ディテールがとにかく濃い! グロい! 濃過ぎて、一般の観客の中には生理的にダメな人も多いと思います。 うちのかみさんに見せたら、やはり「吐き気を催した」と言ってました。

この監督、最高に崇高なものと最悪に低俗なものは表裏一体の関係にあるという一貫したテーマを持っているのですが、その表現が凄まじい。

主人公の母親が崇拝する神様は、レイプされたあげく両腕を切られた日本の女子高生で、その母親も夫に両腕を切られて死にます。 ゾウが鼻から血をドクドク流しながら死んでいったり、神経を逆撫でするような強烈なイメージの連続でかなりやられます。日本だと寺山修司の映画に近いかもしれません。

僕がこの苦行に耐えられたのは、ただ一点、主人公の父親の浮気相手の全身イレズミ女が、ムチムチの巨乳で最悪にケバいという、ナイスな設定だったためです。こいつが悪い女で、しかも重要なキャラなのですが、目にはやさしいという…w つまり、醜いものと美しいものがゴチャゴチャと混じっているんだという事が彼女を目で追ううちにだんだん分かってきて、それが理解できるとこの作品の世界にどっぷりとはまってしまうという仕掛けになっているのです。

で、最後はとても美しいラストシーンで終わるのが驚きです。 時には覚悟を決めて、こういう強烈な映画を見るのもいいものですよ。

そして、なんと今年はホドロフスキーの23年ぶりの新作が見れるかもしれないという事で、ワクワクしている今日この頃です。

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